2026/06/28 09:00

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世界のお酒事情、夏至の頃「馬乳酒(クミス)まつり」
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✦「馬乳酒(クミス)まつり」の季節


草原の国・モンゴルには、夏の訪れを静かに告げる儀式があるようです。

かつては盛大に祝われていた 「馬乳酒(クミス)まつり」

夏至にあわせて祭りを行う地域もあり、今では大規模な催しは少なくなったものの、

家族や親戚が集まり、初ウマ搾りを行う風習は今も受け継がれています。


■ 戌の日に行われる「初ウマ搾り」


旧暦の戌の日――

今年でいえば 6月5日、6月17日、そして6月29日

この日に雌馬から最初の乳を搾り、祝い、天へと捧げるのだそうです。

搾乳が始まると、草原の暮らしは一気に夏の色を帯びます。


■ 夏休みは“草原へ帰る”


馬乳酒がつくられる季節になると、

町で暮らす人々も夏休みには草原へ大移動。

運ばれてきた馬乳酒を飲むより、

自分が草原へ行って飲むほうが、ずっと豊かで贅沢と考えられています。


この時期、子どもたちは協力して馬の世話をし、搾乳し、

自分たちの手で馬乳酒をつくることもあるそうです。


1日8回の搾乳――

その手間は夏の仕事としてはなかなかの重労働。

けれど草原の子どもたちは、

“馬乳酒を飲みたい”という気持ちで自然と動き出すようです。



■ 馬乳酒だけで過ごす夏


この季節、モンゴルでは

食事をほとんど摂らず、馬乳酒だけで過ごす人 も珍しくありません。


・一般的な男性で 1日約4L

・よく飲む地域では 1日10L が平均


13世紀の修道士ルブルックが

「驚くほど大量に飲む」と記したその文化は、

800年経った今も変わらず続いています。

草原の夏は、まさに馬乳酒とともにあるのかもしれません。


✦✦ クミスに関する豆知識


― カルピスのルーツは馬乳酒?! ―

日本の乳酸菌飲料「カルピス」。

その誕生のきっかけは、創業者・三島海雲がモンゴルで出会った馬乳酒の味と、
その“整える力”に深く感動したことだとも言われています。

遠い草原の発酵文化が、日本の食卓へとつながっていく――

そんな静かな物語もまた、発酵の魅力のひとつです。


✦ さいごに


世界には、その土地の風と暮らしが育てたお酒があります。

馬乳酒は、草原の夏を告げる一杯。

日本の和酒とは異なる美しさを持ちながら、

どこか“自然に寄り添う心”という点で通じるものを感じます。

この夏、みなさんはどんな一杯を選ばれるでしょうか。


静かな余白の中で、季節の味をゆっくりと楽しんでいただけたら嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


本日のおすすめのお酒です。


よろしくお願いいたします。